2016/01/07

字典類の紹介1《新甲骨文編(增訂本)》

漢字好きのみなさんの散財に役に立てるように僕の持っている字典類の紹介をしたいと思う。

劉釗、洪颺、張新俊 編纂 (2009/5) 《新甲骨文編》 福建人民出版社
劉釗 主編 (2014/12) 《新甲骨文編(增訂本)》 福建人民出版社

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��一般的な漢和辞典とくらべてでかい・厚い・重いという図)



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��本文はこんな感じだという図)
 字種の配列は説文順、説文にない字(*付きの字)はどれかの部の最後に配列され、亥部の後に合文部と附録部(隷定不可字)がある(中国の古文字編はだいたいこの配列)。同一字種内は字体別に分けられ、同一字体内は類組の時代順、同一組内は出典の番号順(增訂本のみ)に配列されている。附録部の配列は《殷墟甲骨刻辭類纂》に基づいている。
 各字形は拓本をコンピューターで処理した後に白黒反転したものを用いている。よって今までの《甲骨文編》《甲骨文字典》《甲骨文字編》等の模写字形より正確な字形であるといえる(ただし筆画が誤って傷などと判定され消されてしまっている字形も極希にある)。ちなみに日本で出ている書道字典の多くは《甲骨文編》の字形を用いているようだ。小學堂甲骨文の字形も《甲骨文編》をトレースしたものである。
 各字形には出典と類組が併記してあるが、この部分に結構誤植があったりする。
 字例をもう少し多くできなかったのか、というのが気になる所。おそらく分冊にしたくなかったのと編集の手間を考えて、なるべく拓本がきれいな字形のみに絞ったのだろう。ちなみに拓本の出典以外の参考文献が一切書かれていないので釈字に疑問をもっても解決できない。また附録部は索引もなく検索不可能なため目的の字を発見するのが難しい。
※增訂本の旧版との違いは、装丁や紙質の上昇(と共になぜかカバーがなくなった)、栞(赤い紐)の追加、新出土資料及び新研究考釈の取り入れ、各字形の類組の配列順の変更、各字形の同一組内の配列順の変更、部首目録の追加、筆画索引の同一画数内の配列順の変更。
 気になるお値段は旧版が280元(約5000円)、增訂本が330元(約6000円)。これに送料やら手数料やらがついて日本で買うと15000円くらいするみたい。

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