2016/01/11

字典類の紹介4《古陶字録》

高明、涂白奎 編著 (2014/9) 《古陶字録》 上海古籍出版社

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わりと薄い。



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 前の記事の《陶文字典》同様、陶文の字書である。《陶文字典》と異なるのは、各字形がコンピューター処理(ゴミ取り等)後に白黒反転したものになっている点である。また、戦国・秦代に限らず商・周代の陶文も収録している。出典は《古陶文彙編》が中心だが《陶文圖録》ほか多くの拓本集から収録している。
 各字形には出土地・出典・時代が付してある。出土地はどの国で用いられた字体なのかの手がかりとなるのでありがたい。ごく一部の字には軽い解説がある。
 この字書は左ページから読むようになっている(珍しい)。配列は第一編「單字」は康煕字典順に近いがよくわからない順番になっている。第一編のあとに第二編「合文」・第三編「附録」(隷定不可字)がある。巻末に筆画索引がある。第三編の字は検索不可能。
 薄さからわかるように字例はかなり少ない。「きれいな字が見られる」という点がこの字書の利点だろうか。
 値段は148元(3000円弱)、お手頃価格だ。日本で買うと8000円くらい。

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