2016/01/16

字典類の紹介6《三晋文字編》

湯志彪 編著 (2013/10) 《三晋文字編》 作家出版社

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六分冊。かなり場所をとる。



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 本書は春秋・戦国時代の三晋系文字(趙、魏、韓、中山、両周、鄭、衛といった国で使われていた字)を字種毎に配列したものである。各字形は拓本・あるいは写真をそのまま切り貼りしたもの(ゴミ取りはしていない)。一字一字が大きいのでわかりやすい。
 各字形には出典・釈文・国・時代が付してある。同一字種内は石器・銅器・兵器・璽印・陶分・貨幣・雑器の順に、同一材料内は国順、同一国内は時代順に配列されている。
 配列は説文順、卷一~卷十四のあとに合文・附録(隷定不可字)がある。また巻末に資料来源及釈文・部首筆画索引・拼音索引がある。附録は索引からは検索不可能である。
 一字一字が大きいだけでなく、収録範囲もかなり広い。また各字形に釈文がついているだけでなく、最後に出典とした器物全ての釈文が載っているので字形をみること以外の用途にも使える。
 値段は3650元(約65000円)、日本で買えば10万円台になる。
 ちなみにこの本は《國別文字編》シリーズの一番目として出版された。現在は二番目の張振謙《齊魯文字編》、三番目の劉孝霞《秦文字編》も既に出版されている。いずれも六分冊である。
 《齊魯文字編》は西周~戦国時代の齊魯系文字(魯、邾、郳、滕、薛、費、曹、郜、杞、齊、逢、邿、鑄、戴、鄩、過、萊、紀、㠱、諸、莒といった国で使われていた字)を収録している。附録と釈文の間に《齊魯文字字形差異表》という章があり、齊魯系文字をさらに分け、齊莒系文字と魯邾系文字の字体の違いが解説されている。

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