2016/12/23

ネット字源説考訂6「敢」

ネット字源

「敢」について

風船あられの漢字ブログ

 漢字の足し算で表すと手+甘(口に含む)+攵(動作・払う)=敢(封じ込まれた状態を手を使って払う。敢(あ)えて~する)です。
 甘は『口に含む』の意味があります。甘に手と攵(動作・払う)を足すと『含む』から『敢(あ)えて~する』という意味になります。

漢字の音符

 金文と篆文第一字は、「古(ふるい)+上の手+下の手」の会意。古は、祭礼の祝詞(神への祈り言葉)を入れた器を盾で大事に守るかたち。これに上下の手をつけた敢カンは、大事に守る器を両手であえて開けようとすること。今までの慣例にこだわらず、あえてする意となる。

OK辞典

 会意文字です(又+又+占の変形)。「口」の象形と「占いの為に亀の甲羅や牛の骨を焼いて得られた割れ目を無理矢理、両手で押し曲げた」象形から、道理に合わない事を「あえてする」を意味する「敢」という漢字が成り立ちました。

常用漢字論(《漢字語源語義辞典》略同)

 甘は「中に含む」というイメージがある。これは「枠の中に封じ込める」というイメージに転化する。「爪+又」は両手である。両手の間に丿の符号を入れて、両手で力をこめて何かを引き合う情況を示す。かくて「甘(音・イメージ記号)+爪+丿+又(三つでイメージ補助記号)」を合わせて、封じ込められた枠をはねのけようと、強い力をこめる情況を暗示させる。

杓で酒を汲む象形という白川の説も含めて皆バラバラである。しかし、解字が異なるものの「手で開ける」の部分は4サイトともおおむね似ている。『OK辞典』は「又+又+占の変形」という解字とその後の説明が合ってない。

2016/12/21

ネット字源説考訂5「跡」

「跡」の字源について


風船あられの漢字ブログ
>足跡が亦続く様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、足+亦(また)=跡(足また足。足の跡)です。意味は『足跡』、『跡』です。跡と同じ意味を示す漢字では、蹟(足重なる足。足の蹟)があります。同じ意味の漢字『蹟(セキ)』jiの影響を受けて『ヱキ』から『セキ』の発音になっています。

漢字の音符
>「足(あし)+亦(同じものがもう一つある)」 の会意形声。足と同じものがもう一つがある意で、足あとをいう。

OK辞典
>会意兼形声文字です(足+亦)。「胴体の象形と立ち止まる足の象形」(「足」の意味)と「人の両わきに点を加えた文字」(「わき」の意味だが、ここでは、「積み重ねる、あと」の意味)から、「積み重ねられた足あと」を意味する「跡」という漢字が成り立ちました。

《漢字語源語義辞典》
>「亦(音・イメージ記号)+足(限定符号)」を合わせた字。
常用漢字論
>迹は「亦エキ(音・イメージ記号)+辵(限定符号)」と解析する。……。限定符号を辵から足に替えて跡の字体も生まれた。


2016/12/20

ネット字源説考訂4「皆」「習」

「皆」の字源について


風船あられの漢字ブログ
>皆でする動作を漢字にしたものです。比と白を組み合わせた漢字です。足し算で表わすなら、比(ならぶ)+白(自分・人・鼻の原字)=皆(並んだ人。みな。皆)です。

漢字の音符
>金文は、「人人+曰エツ(いう)」の会意。ならんだ人がそろって物を言う形。みんなの意となる。篆文は、人人⇒比(右向きの二人)に変化し、現代字はさらに、曰エツ⇒白に変化した。

OK辞典
>会意文字です(比+白)。「人が2人並ぶ」象形と「頭の白い骨または、日光または、どんぐりの実」の象形(「しろ・告げる・告白」の意味)から、人が声をそろえて言う事を意味し、そこから、「みな」、「ともに」を意味する「皆」という漢字が成り立ちました。

《漢字語源語義辞典》
>「比(イメージ記号)+白(限定符号)」を合わせた字。……。「白」は「習」の下部と同じで、自の変形で、動作の意味領域に限定する符号である。
常用漢字論
>従来の字源説を見ると、『説文解字』などが「比+白」とするのが一般的。白は色の名ではなく、自の異形(異体字)で、動作などと関わる符号(限定符号)とされている。だから「比(イメージ記号)+白(限定符号)」と解析する。


『風船あられの漢字ブログ』『常用漢字論』は《説文》にならい「比+𦣹」、『OK辞典』は「比+白」、『漢字の音符』は「从+曰」。

また「習」の字源について


風船あられの漢字ブログ
>動作を繰り返す様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、羽(はばたく)+白(動作)=習(同じ動作を繰り返す。習う。ならう)です。

漢字の音符
>甲骨文字は「羽+日」の形だが何を表しているか不明[甲骨文字小字典]。簡書(竹簡に書かれた文字の意で、戦国古文ともいう)は、「羽+曰エツ(口に出して言う)」 となり、篆文の下部も曰の変形。曰は口から口気のもれる形で、ものを言うこと。習は、羽を羽ばたかせるように何度も声にだして練習すること。ならう意味になる。

OK辞典
>会意文字です(羽(羽)+白(曰))。「重なりあう羽」の象形と「口と呼気(息)」の象形から繰り返し口にして「学ぶ、なれる」を意味する「習」という漢字が成り立ちました。

《漢字語源語義辞典》
>「比(イメージ記号)+白(限定符号)」を合わせた字。……。「白」は「習」の下部と同じで、自の変形で、動作の意味領域に限定する符号である。
常用漢字論
>習は「羽(イメージ記号)+白(限定符号)」と解析する。……。白は自の変形で、動作を示す限定符号として使われる。


『風船あられの漢字ブログ』『常用漢字論』は《説文》にならい「羽+𦣹」、『OK辞典』は「皆」と異なり「羽+曰」。
『漢字の音符』に「簡書(竹簡に書かれた文字の意で、戦国古文ともいう)」とあるが、戦国古文とは戦国時代に書かれた字のことであり、竹簡に書かれた文字という意味はない。

2016/12/19

ネット字源説考訂3「夏」

「夏」の字源について


風船あられの漢字ブログ
>神に仕える巫女(みこ)さんが踊る朝廷の美しい様子を表す象形文字です。

漢字の音符
>「頁(あたまを強調した人)+両手+夊(あし)」の象形。大きな頭に両手と夊(あし)をつけ、大きな人を表した字。
>季節の夏(なつ)の意味は仮借カシャ(当て字)の用法。戦国時代に起こった五行説で「なつ(夏)」は火カの行(火のような灼熱の性質を表す)に属しており、同じ発音の夏カを「なつ」に当てたものと思われる(私見)。

OK辞典
>会意文字です(頁+臼+夊)。「冠や面などをつけた人の頭」の象形と「両手と両足」の象形から、冠をつけて両手・両足を動かして、雅(みやび)やかに舞う夏祭りの舞の様(さま)を表し、そこから、「なつ」を意味する「夏」という漢字が成り立ちました。

《漢字語源語義辞典》
>衣冠をかぶった大きな人を描いた図形。
常用漢字論
>衣冠をかぶった大きな人の図形



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「夏」は甲骨文では「日+頁」で、太陽が人の上にあるさまである。「頁」は頭部を強調した人の象形で、面や冠をあらわさない。「臼」「夊」等は後に加えられたもの或いは訛変で生まれたもの。したがって「夏」の字源を(面や冠つけた)大きな人の象形とするのは誤り。
『漢字の音符』が現代日本漢字音にもとづいて「火」「夏」を同音とするのは誤り。『OK辞典』の篆書は創作。

2016/12/18

ネット字源説考訂2「易」「賜」「錫」

「易」の字源について


風船あられの漢字ブログ
>次々と横に移っていく様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、日ノ(やもり・とかげ)+彡(もよう)=易(やもりが次々と横に移っていく。かわる。かわりやすい。易(やさ)しい)です(藤堂)。

漢字の音符
>甲骨文は雲間の太陽から光(彡)が差す形[甲骨文字小事典]。曲線が雲、半円が太陽、彡が日光で、穏やかな天候、および、曇りの意の天候用語。

OK辞典
>「とかげ」の象形で、とかげは光線具合でその色が変化するように見える事から「かわる」を意味する「易」という漢字が成り立ちました。

《漢字語源語義辞典》
>トカゲを描いた図形。
常用漢字論
>トカゲやヤモリを描いた


『風船あられの漢字ブログ』『OK辞典』『常用漢字論』は《説文》の「トカゲの象形」という説をそのまま踏襲。『漢字の音符』は《甲骨文字小字典》を引用。

2016/12/17

ネット字源説考訂1「異」「戴」「冀」「糞」

ネット字源

「異」について

風船あられの漢字ブログ

 別にもう一つの物を持つ様子を表す会意文字です(藤堂)。漢字の足し算は、田(頭)+共(両手)=異(もう一本の手をそえて物を持つ。転じて異なる)です。

漢字の音符

 人が鬼やらい(追儺ツイナ)にかぶる面をつけて、両手をあげているさまの象形。面をかぶると恐ろしい別人になるところから、「ことなる」の意を表わす。

OK辞典

 「人が鬼を追い払う際ににかぶる面をつけて両手をあげている」象形で、それをかぶると恐ろしい別人になる事から、「ことなる」、「普通でない」を意味する

常用漢字論

 まず左の手を挙げ、次に右の手を挙げるという連続した動きを表現するために、同時に両手を挙げる静止画面で読み取らせる仕掛けをしたのである。
 この意匠によって、Aのほかに別にそれと違ったBがあるというイメージを表すことができる。かくて「それとは違う、ことなる」という意味をもつ

ニコニコ大百科

 異形のものが両手を広げているところの象形。
 〔説文〕は畀+廾の会意とするが、甲骨文・金文は田の字のような頭の物が手を広げている形。
 異形のものが何かについては、猛獣の怪異である(〔説文解字注箋〕)とする説、翼と尾のあるものとする説(〔文源〕)、仮面をかぶった人とする説、鬼頭の神である説(白川静)などがある。白川は正面形が異、側身形が鬼・畏であるという。

Wiktionary

 象形文字。鬼の面をかぶって両手を挙げた形。

白川は、鬼あるいは鬼の仮面をつけた者とするが、『漢字の音符』や『OK辞典』は鬼をおいはらうのに使う面としている。『常用漢字論』は「なぜ両手を挙げているのかさっぱり分からない」として白川の説を否定するが、加納氏の説は逆になぜ頭の大きな人なのかさっぱり分からない。

2016/12/09

略字メモ 分類2、形声

「形声」略字とは、字の一部分を同音あるいは近音のより簡便な声符ととりかえる、といった方法である。
この略字の利点は、同音代替と同じく、初見でも読みやすく、意味も文脈から推理しやすい、また覚えやすい、といったところか。


《大漢和辞典》第七巻中の難字4

【𤘵】【𤘷】【𤘶】【𤙅】【𤙈】 【𤙇】【𤙋】【𤙎】【𤙩】【𤙾】
【𤙿】【𤚁】【𤚀】【𤙽】【𤚅】 【𤚤】【𤚢】【𤚡】【𤚟】【𤚚】
【𤚛】【𤚝】【𤚣】【𤛁】【𤛅】 【𤛄】【𤛀】【𤛝】【𤛖】【𤛚】
【𤛙】【𤛜】【犞】【𤛭】【𤛪】 【𤛷】【𤛸】【𤜊】【𤜓】【𤜕】
【𤜘】

2016/12/07

《大漢和辞典》第七巻中の難字3

【𤓵】【𤔈】【𤔉】【𤔋】【𤔙】 【𤔚】【𤔝】【𤔟】【𤔶】【𤕁】
【𤕄】【𤕇】【𤕊】【𤕒】【𤕿】 【𤖀】【𤖒】【𤖵】【𤖿】【𤗃】
【𤗓】【𤗞】【𤗾】【𤘆】【𤘇】 【𤘊】

2016/12/06

《大漢和辞典》第七巻中の難字2

【𤆜】【㶥】【𤆙】【𤆰】【𣲱】 【𤆳】【𤇞】【𤇜】【𤈔】【𤈓】
【𤉌】【𤉎】【𤉍】【𤉏】【𤊚】 【煱】【𤋫】【𤋭】【𤌷】【𤍁】
【𤌿】【𤍀】【𤏜】【𤏗】【𤐔】 【𤐮】【𤑌】【𤑄】【𤑩】【𤑪】
【𤑤】【𤑦】【𤑡】【𤑣】【𤑥】 【𤒝】【𤒔】【𤓑】【𤓤】

2016/12/02

《大漢和辞典》第七巻中の難字1

【𣶖】【𣷜】【𣷥】【𣸢】【湺】 【𣹅】【𣺳】【𣼞】【𣽲】【𣾤】
【𣾦】【𣿢】【𣿧】【濏】【𤀝】 【𤂠】【𤂤】【𤂼】【𤃺】【𤃻】
【𤄧】【𤅏】【𤅐】【𤅓】【𤆁】

《大漢和辞典》第六巻中の難字4

【𣬴】【𣭆】【𣭗】【𣭘】【𣭖】 【𣭮】【𣮃】【𣮄】【𣮢】【𣮡】
【𣮠】【𣯃】【𦋋】【𣮿】【𣮾】 【𣯵】【𣰃】【𣰘】【𣰗】【𣰧】
【𣰩】【𣰺】【𣱂】【𣱍】【𣱫】 【𣱱】【𣱳】【𣱻】【𣱽】【𣱺】
【𣲊】【𣲜】【𣳞】【泵】【𣳟】 【𣳠】【㳯】【𣴽】【𣴿】【𣵧】
【𣵟】