2017/08/11

字典「再」

「再」

釋義

甲骨文

残辞に一例みえるのみで、意味は不明。
  1. 允〼
    《合集》7660;典賓

金文

西周期の例はない。「二番目」「二回目」「ふたたび」の意味で用いられる。「閏再某月」は二回目の月(閏月)のことで、秦簡にも同用法が見られる。
  1. 数:二度、二回。二回目、二番目。
    隹(唯)廿又祀。
    𠫑羌鐘,《銘圖》15425-15429;戰早

    元年閏十二月丙午。
    元年閏矛,《銘圖》17668-17669;戰晩
  2. 副:ふたたび。かさねて。もう一度。
    尸(夷)用或敢[⿱再口](再)𢱭(拜)𩒨(稽)首。
    叔夷鎛,《銘圖》15829;春晩

    𬯔(陳)喜[⿱再口](再)立(涖)事歲。
    陳喜壺,《銘圖》12400;戰早

    奠(鄭)昜、𬯔(陳)𠭁(得)立(蒞)事歲。
    陳璋壺,《銘圖》12410-12411;戰中

楚簡

「ふたたび」「くりかえし」の意味で用いられる。《芮良夫毖》にみえる「再終」は二組からなる詩のこと[1]
  1. 数:二度、二回。二回目、二番目。
    内(芮)良夫乃[⿱乍又](作)䛑(毖)夂(終)。
    清華叁《芮良夫毖》2

    𫊟(吾)甬(用)[⿱乍又](作)(作)䛑(毖)夂(終)。
    清華叁《芮良夫毖》28
  2. 動:くり返す。ふたたびおこる。
    䆤(窮)達以旹(時),𫲪(幽)明不
    郭店《窮達以時》15
  3. 副:ふたたび。かさねて。もう一度。
    [⿰忄𠤕](疑)取
    郭店《語叢二》49

    𢘓(謀)亡(無)小大,而器不利。
    清華叁《芮良夫毖》26
  4. 「再三」:何度も。たびたび。
    大(太)子再三,肰(然)句(後)並聖(聽)之。
    上博二《昔者君老》1

    [⿰才匕](必)再三進夫﹦(大夫)而與之[⿸虍皆](偕)[⿱⿴囗者心](圖)。
    清華陸《鄭武夫人規孺子》1

釋形

甲骨文は残辞で文意は不明だが、後代の字形や甲骨文の「冓」「爯」の下部との比較から「再」と見られている。構意には定説がなく、不明。
春秋戦国時代には意符「二」を加えた字体や、羨符「口」を加えた字体が見られる。
秦代の字形は下部が「肉」に似るが、漢代には直線化された。説文小篆は明らかに漢隷の字形から作られたもので、秦篆とは異なる。
六朝楷書では中央縦画を下まで伸ばす字体が用いられたが、説文小篆を楷書化した字体が《干禄字書》の正体・開成石経の規範字体とされ、以降の字書に引き継がれた。さらに《字彙》では中央横画が短くなり(理由不明)、これが康煕字典体および現在の規範字体のもととなっている。

釋詞

待考。



参考・関連文献

文中出典

[1]方建軍《清華簡“作歌一終”等語解義》,復旦大學出土文獻與古文字研究中心網2014年6月16日。

字詞典

徐中舒主编《甲骨文字典》第444頁,四川辞书出版社1989年。
劉興隆《新編甲骨文字典》第240頁,國际文化出版1993年。
马如森《殷墟甲骨文实用字典》第101頁,上海大学出版社2008年。

方述鑫等《甲骨金文字典》第307頁,巴蜀书社1993年。
張世超等《金文形義通解》第937-938頁,中文出版社1996年。
王文耀《簡明金文詞典》第120頁,上海辭書出版社1998年。

徐在國《上博楚簡文字聲系(一~八)》第382-383頁,安徽大學出版社2013年。

何琳儀《戰國古文字典――戰國文字聲系》第87頁,中華書局1998年。
黄德宽主编《古文字谱系疏证》第一册第206頁,商务印书馆2007年。
李学勤主编《字源》上册第337頁,天津古籍出版社2012年。
劉志基主編《中國漢字文物大系》第四卷第348-350頁,大象出版社2013年。
季旭昇《説文新證》第595頁,藝文印書館2014年。

文字編

李宗焜《甲骨文字編》下册第1208頁,中華書局2012年。
劉釗主編《新甲骨文編》(增訂本)第254頁,福建人民出版社2014年。

董蓮池主編《新金文編》下册第457頁,作家出版社2011年。

李学勤主編《清華大學藏戰國竹簡(壹—叁)文字編》第110頁,中西書局2014年。

湯志彪《三晋文字編》第二册第543頁,作家出版社2013年。
張振謙《齊魯文字編》第二册第515-517頁,学苑出版社2014年。
高明、涂白奎《古陶字録》第3頁,上海古籍出版社2014年。

佐野光一編《木簡字典》第85-86頁,雄山閣出版1985年。
陳松長《馬王堆簡帛文字編》第152頁,文物出版社2001年。
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梅原清山編《北魏楷書字典》第78頁,二玄社2003年。
梅原清山编《唐楷书字典》第92-93頁,天津人民美术出版社2004年。
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論文

唐蘭《𠫑羌鐘考釋》,《國立北平圖書館館刊》第6卷第1期,臺灣學生書局1932年;《唐蘭全集》第一冊第265-270頁,上海古籍出版社2015年。
徐山《释“冓、再、爯”》,《中国文字研究》第五辑第145-146頁,上海人民出版社2004年。
武振玉《两周金文词类研究(虚词篇)》第145頁,吉林大学2006年博士学位论文。

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